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株で億万長者!まずは本でお勉強

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あなたも株のプロになれる―成功した男の驚くべき売買記録 |立花 義正

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あなたも株のプロになれる―成功した男の驚くべき売買記録あなたも株のプロになれる―成功した男の驚くべき売買記録
立花 義正
同友館 刊
発売日 1987-04




隠れた名著 2006-02-14
まだバブルが起こる前から「パイオニア」1本の売買だけで生活している投資家がいることを何かで読んで、その後その方が本を出版されていることも知ったのだが、何しろ名前も本の題名もわからなかったのでそのままにしていて今回初めて読んだ。著者は明治42年(1909年)生まれで、この本の第1刷発行が1987年だから著者が78歳のときにこの本は出版された。しかしあとがきにも書いてあるが、実際には昭和49年から丸5年にわたって会報に連載されたものをまとめたものなので、著者が65〜70歳のときに書いたものである。



著者は敗戦の翌年ビルマから復員(37歳)して、その後出征のときまで勤務していた三菱系の造船会社に就職する。昭和27年(44歳)のとき、証券会社のセールスマンと相談しながら株式売買を開始、売買は100株単位ながら信用取引からやる。株の売買は順調で約1年で当時のお金で200万円もの莫大な利益を得る。ところが翌28年3月5日スターリン暴落が起こり、妻の実家の全遺産と結婚してから営々として貯めてきた財産全てを失って無一文となる。

その後5年間はケイ線の先生に弟子入りしたりして猛勉強するが、注ぎ込んでは負け続ける。著者は少ない資金を大きくしようと小豆の商品取引をしようとするが、仲買店のおじいさんから諭され開眼する。50万円が4ヶ月で4倍にもなり、気が大きくなって退職金の前借までして株にのめりこむ。ところが株も小豆も下げ続け、食事も睡眠もろくにとれない日々が続く。そして立ち入り禁止の区域をフラフラ歩いていて大けがをし、片足を膝から上で切断する。著者はその後会社を退社し、労災で得た300万円と2年分の給料を元手に株で生計を立てようと決心する。



その著者が著した本がこの本なのである。本の題名は「あなたもプロになれる」だが、著者は「実際に売買して自分の力で売買の技法を習得しなさい」と突き放している。水泳やピアノの技術と同じことだと。著者の売買記録も載せているが、著者自身「不細工な売買が続いていたのでは、ここに載せるのもいやになる」というように、決して取ってばかりいるんじゃなくて、失策が続くのも相場の現実と正直に告白している。頭をクールにさせてくれ、どの投資家にも有益な本だと思う。


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